Story|「オガトレ」×コヤマ菓子店店主「小山裕隆さん」対談

オガトレが、気仙沼市内の事業者さんと対談するこの企画。

この日お話を伺ったのは、ご自愛便の気仙沼お菓子セレクション(4回目)内のお菓子を作る、コヤマ菓子店の5代目、小山裕隆(おやまひろたか)さん。(取材日2021年10月上旬)

対談1

東日本大震災などのさまざまな 苦難を乗り越え、今も夢に向かって進み続ける小山さん。はまぐりもなかくっきーの裏話や、気仙沼でお菓子屋を続ける理由などを聞いてきました。

はまぐりもなかくっきーって?

オガトレ(以下オ):以前のご自愛便に、はまぐりもなかくっきーを入れさせていただいたところ、とても反響がありました。

小山さん(以下小山): それはありがたい。実は、はまぐりの型は100年くらい変わっていなくて。はじめはあんこが入ってたんですけど、それがあまり売れなくなって、「洋風にしちゃおう」となった。20年前くらいに作ったのが始まりですね。

「食べたことない食感!」と、皆さん感動されていました。そういえば、以前のいさみやさんとの対談記事を読んで、直接お菓子を取り寄せていただいた方もいらっしゃいました。

小山オガトレさんは、視聴者さんとの距離が近いよね。それだけ、すぐにレスポンスがあるのは。

オ:1年前くらいから毎朝、ラジオ(Voicy)を配信しているんですけど、そこでプライベートなことも話していたら、さらに距離が近くなった気がします。

小山:なるほど。

オ:なので、発信するときは「良いもの」を拡散するのはもちろん、「気仙沼にいつか来てほしい」という願いを込めています。一緒に、ストレッチの良さが伝わればいいなと。

対談4

気仙沼で活動する意味

小山: オガトレさんの5年とか10 年先は、どんなイメージですか?

オ:明確な目標はなくて。というのも、YouTube は手段の一つとして捉えており、この先、YouTube の時代が終わるかもしれないので、その時々の最善の手段を選びながら、時代の波に乗っていきたいですね。抽象的な目標として、「体が硬くて困っている人をゼロに」を掲げています。

小山:うん。

オ:明確に「5年後チャンネル登録者数を1千万人を目指す」とかの目標はない方がいいと思っていて。僕が生きている限りは、「体が硬くて困っている人をゼロに」するためにいろんなことをやっていきます。

対談3

小山:なるほど!すばらしい。

オ:なんかすみません。熱くなってしまいました(笑)。

小山:あーいやいや。僕、若い人に目標とかビジョンを聞くのが癖で。移住者とか若い人に聞いちゃうんです。共通して「気仙沼がよくなってほしい」と思ってくれているし、今の気仙沼の魅力づくりをするのは、僕らとか若い世代なのかなって。そんな僕らの姿をさらに若い世代に見せられたら、さらに地域が良くなる気がする。

オ:めちゃめちゃわかりますね。

小山: そんな背中を見たら、「かっこいいな」と思うじゃないですか。 理屈じゃなくて、熱さだよね。オガトレさんの「硬い人をゼロにしたい」っていう思いも。

オ:そうですね。元をたどると後悔から始まった思いなんです。理学療法士1年目に担当した高校生が、バスケ部のキャプテンの子で、怪我でリハビリをしていたんですけど、僕の力不足で、最後の大会前に同じ怪我をしてしまって。3年生の中で、キャプテンのその子だけが出られないという状況をつくってしまったことが後悔です。

小山: うんうん。

オ: 大体の怪我の原因は、体が硬いことなので。その後悔が、十字架みたいな感じで僕の中にあって、これをやらなければ、僕の人生を消化しきれない。あえて気仙沼にいるのは、小山さんと同じように、気仙沼から出て行ってしまった人たちに「気仙沼でもこんなことできるんだ」と思われたいからだと思います。

大人気YouTuber瀬戸弘司さんに絶賛された話

対談5

小山:(株)メルカリが主催したイベント「インディーズ土産全国デビューへの道」に、はまぐりもなかくっきーが宮城代表として登場したんですが、発信力がやっぱりすごいなと。インフルエンサーのとてつもないパワーを体感しました( 笑)。

オガトレ:そういえば、YouTuberの瀬戸弘司さんも動画で絶賛されてましたよね。

小山:あれはものすごいプロモーションでした。こんな影響力あるのかって。世の中の見せ方とか拡散の仕方が、破壊力がすごい。テレビの 比じゃない( 笑)。

オガトレ: 同業から見ても、瀬戸さんの編集力と企画力は、ずば抜けていると思います。

小山:いくら払って作ってもらえてるんだろうっていう(笑)。

オ:紹介されたのは、たまたまなんですか?

小山:たまたま。

オ:えー!すごい。なにか繋がりがあるのかと。PRでもなく、紹介されるのは相当強いと思います(笑)。

小山:誰が届けてくれたんだろう。分からないけど。瀬戸さんに紹介されちゃったので、逆に、これからのお菓子、次の展開はどうしようって(笑)。

オ:確かに。僕は、どちらかというと燃え尽き症候群タイプなので、これから先は海外に目をむけるとか、今までと違った形で事業展開を進めようとも思っています。影響力は良くも悪くもあるので、行動には気をつけなければいけないと、強く意識しています。

小山:メンタル強くないとね。

オ:いや〜、僕メンタルすごく弱いんですよね。劇弱(笑)。

小山さんの夢

オ:そういえば、「うみねこランド」を作りたいとか。目標はあるんですか?

小:あります。震災では自宅も店も津波で流されちゃったので、仮設のテナントを借りて、借金で機械を買って、店をオープンしたんです。

応援で買いに来てくれる人もいたりして、「借金も返せそうだな」と思っていた。その矢先に、 親父がガンになっちゃって、すぐに手術することになって。親父に頼り切ってたから、僕はお菓子作りも得意じゃなかったんだよね。 そうしたら赤字に転落して、お菓子の評判も悪くなって、スタッフ一人残して、全員やめちゃって。

オ:それは大変。

小山:作って失敗しても、失敗した原因すら分からない。そうしたら、同業の先輩方がお菓子作りを教えてくれて、なんとか赤字から回復した。本当に地域の人に支えられています。

オ: うんうん。

小山:親父が死んだのと、震災があったっていうので、ダブルで精神的にやられてたんだけど、そのたびに気仙沼愛が強くなった気がする。

生きている意味とか価値とか。気仙沼に命預けるみたいな。だから、新店舗を建てる時に、地域を照らせる灯台のような場所をつくろうと思って。そうしたら今のこの店ができた。ぱっくり割れているのは、 はまぐりもなかくっきーが割れているようなのをイメージしてる。

オ:そうなんですか!

小山:なのでオープンした時に、5年以内に東北を代表するお菓子屋になろうと決めた。10年以内には、海外の人でも買える環境に。そして、15年後にはうみねこランドを建てる。それが僕の人生、命の使い方です。

最後に

オ:小山さんが考える気仙沼の魅力は、なんですか?

小山:伝えきれないので、会いに来てほしい。気仙沼の人は、荒々しいですが心は優しく、話せば人の温かさが感じられます。ぜひ、“人” に会いに来て。とりあえずコヤマ菓子店に来てくれたら、案内します(笑)。

対談2